大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(あ)2558 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人元林義治の上告趣意第一について。

所論は、刑訴法二一二条二項は憲法三三条に違反する規定であり無効であるから、

この無効の規定によりなされた逮捕手続を適法と認め、公務執行妨害罪の成立を認

めた原判決は憲法に違反するという。

しかし、刑訴法二一二条二項が憲法三三条に違反しないことは、当裁判所の判例

(昭和二三年(れ)第七七四号同年一二月一日大法廷判決、集二巻一三号一六七九

頁)とするところであるから、論旨は採ることができない。

同第二について。

所論は、(一)本件逮捕は刑訴法二一二条二項一号にいう「犯人として追呼され

ているとき」に当らず、(二)器物損壊罪は親告罪であるから告訴なき親告罪につ

いては現行犯逮捕をなすことは許されず、(三)右器物損壊罪はガラスコツブ二個

代価合計約一〇〇円という軽微な犯罪であるのに、これを現行犯逮捕したのは職権

濫用というべく、憲法一一条一三に違反するものであり、右三点のいずれの点より

するも、本件逮捕は違憲であるにもかかわらず、これを看過して適法な逮捕と認定

した原判決は、結局、憲法三一条、三三条、一一条、一三条に違反すると主張する。

所論は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告

理由に当らない。(なお、本件逮捕が適法である旨の原判断の結論は正当である。)

同第三は、事実誤認、同第四乃至第六は、単なる訴訟法違反、同第七は、量刑不

当の主張であり、論旨その余の部分も違憲をいう点はあるが、実質は事実認定、単

なる訴訟手続、量刑に対する論難の域を出でないものであつて、すべて適法な上告

理由に当らない。

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また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和三九年一〇月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

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